メモリ増設でゲーム体験が変わる
ゲーム中にカクつきやフリーズが発生する原因の一つが、メモリ不足です。メモリの増設は、ゲーミングPCのアップグレードの中でも最も簡単で、費用対効果の高い方法の一つです。
メモリの増設は、スロットに差し込むだけで完了する初心者にも優しい作業です。ドライバーのインストールも不要で、取り付けたらそのまま使えます。
この記事では、メモリの選び方から取り付け手順、増設時の注意点まで、初めてのメモリ増設でも失敗しないように丁寧に解説します。
メモリ増設前に確認すべきこと
メモリの規格(DDR4 / DDR5)
DDR4とDDR5には物理的な互換性がないため、間違えて購入すると取り付けできません。メモリスロットの形状(ノッチの位置)が異なるため、物理的に挿し込めない仕組みになっています。
自分のPCがDDR4対応かDDR5対応かを確認するには、以下の方法があります。
- PCの仕様書や購入時のスペック表を確認
- CPU-Z(無料ソフト)のMemoryタブで「Type」を確認
- タスクマネージャーの「パフォーマンス」→「メモリ」で確認
空きスロットの数
マザーボードのメモリスロットが何本あり、何本使用中かを確認します。CPU-Zの「SPD」タブでスロットごとの情報が確認できます。一般的なゲーミングPCのマザーボードにはスロットが2〜4本あります。
最大メモリ容量
マザーボードとCPUにはそれぞれ対応する最大メモリ容量があります。マザーボードの仕様書で確認してください。

ゲーミングPCに必要なメモリ容量
16GB:最低限のライン
記事執筆時点で16GBはゲーミングPCのスタートライン的な容量です。軽量なゲームであれば問題ないものの、大型タイトルをプレイしながらDiscordやブラウザを裏で開くと不足を感じる場面が増えています。
32GB:記事執筆時点のスイートスポット
32GBがゲーミングPCにおける記事執筆時点のベスト構成です。AAAタイトルのプレイ、ゲーム配信、動画編集、複数アプリの同時起動など、あらゆるタスクに過不足なく対応できます。
64GB:クリエイター兼用なら
4K動画の編集やAI画像生成、大規模なMODを使うゲームなど、特殊な用途でなければ64GBは必要ありません。ゲーム専用なら32GBで十分です。
16GBから32GBへの増設が、最もコスパの高いアップグレードです。DDR5 32GB(16GB×2枚)のセットは記事執筆時点で1万円台半ばから購入できます。
メモリの選び方
デュアルチャネルで使うのが基本
メモリは同じ容量・同じ規格の2枚セットで使うのが鉄則です。2枚挿しにすることで「デュアルチャネル」が有効になり、メモリの帯域幅が2倍になります。16GB×1枚より8GB×2枚の方が速いのはこのためです。
動作クロックと相性
DDR5メモリの場合、動作クロック(例:DDR5-5600、DDR5-6400など)が高いほど処理速度が上がります。ただし、マザーボードとCPUが対応しているクロックでなければ自動的に低いクロックで動作します。
DDR5の4枚挿しに関する注意
DDR5メモリを4枚挿すと、信号の安定性を保つために動作クロックが強制的に下げられることがあります。DDR5-6400のメモリを4枚挿しても、実際には4800MT/s以下でしか動かないケースもあります。大容量が必要な場合は、16GB×4枚ではなく32GB×2枚の構成がおすすめです。
ヒートスプレッダ付きメモリの注意点
ゲーミング向けのメモリには、放熱用のヒートスプレッダ(金属カバー)が付いた製品が多くあります。見た目がカッコよく冷却効果もありますが、背の高いヒートスプレッダは大型CPUクーラーと干渉することがあるため、事前にクーラーとの物理的な距離を確認してください。特にNoctuaのNH-D15のような大型空冷クーラーでは、メモリの高さ制限が設けられていることがあります。
メモリ増設の手順
準備
- PCの電源を落とし、電源ケーブルを抜く
- 電源ボタンを5秒ほど長押しして内部の残留電力を放電する
- 金属に触れて静電気を放電する
- ケースの側面パネルを外す
取り付け
- メモリスロットの両端(または片端)のレバーを外側に開く
- メモリの切り欠き(ノッチ)とスロットの突起の位置を合わせる(向きが逆だと入らない)
- メモリの両端を均等に、まっすぐ下に押し込む
- 「カチッ」と音がしてレバーが自動的に閉じれば取り付け完了
- 2枚挿しの場合、スロットの挿し位置に注意する(マザーボードのマニュアルで推奨スロットを確認。通常はA2・B2スロット)

増設後の確認作業
BIOS画面での確認
- PCを起動してBIOS画面に入る(起動直後にDELキーまたはF2キーを連打)
- メモリの容量と枚数が正しく表示されているか確認
- XMP(Intel)またはEXPO(AMD)プロファイルを有効にして、メモリの動作クロックを定格に設定する
Windows上での確認
- タスクマネージャーの「パフォーマンス」→「メモリ」で総容量と速度を確認
- CPU-Zの「Memory」タブで、デュアルチャネルが有効になっているか確認
XMP/EXPOプロファイルを有効にしないと、メモリはJEDEC規格の低いクロックで動作します。せっかく高クロックのメモリを買っても、この設定を忘れると性能を発揮できません。BIOSから忘れずに有効にしてください。
メモリ増設でよくあるトラブルと対処法
PCが起動しない・ビープ音が鳴る
- メモリが奥まで挿し込まれていない可能性が高いです。一度抜いて挿し直してください
- メモリの向きが合っているか確認(切り欠きの位置が合わないと入りません)
- 異なるスロットに挿してみる(スロットの故障の可能性)
増設したメモリが認識されない
- メモリの規格(DDR4/DDR5)が合っているか再確認
- マザーボードの最大対応容量を超えていないか確認
- BIOSのアップデートが必要な場合がある(特に新しいメモリモジュールの場合)
ブルースクリーンが頻発する
- メモリの相性問題の可能性があります。Memtest86でメモリテストを実行し、エラーが出ないか確認
- XMP/EXPOプロファイルを無効にして安定するか確認(オーバークロックが不安定な場合)

メモリ増設に関するQ&A
Q. 違うメーカーのメモリを混ぜて使っても大丈夫?
規格と容量が同じであれば動作すること自体は可能ですが、相性問題が発生するリスクが上がります。安定動作を求めるなら、同じメーカー・同じ型番の2枚セット(キット販売)を購入するのが最も確実です。
Q. メモリは多ければ多いほどゲームが速くなる?
必要量を超えた分の増設には、ゲームの速度向上効果はほとんどありません。32GBで十分なゲームに64GBを搭載しても、フレームレートは変わりません。足りないときに効果が出るパーツです。
Q. ノートPCのメモリ増設はできる?
ノートPC用のメモリはSO-DIMM規格で、デスクトップ用のDIMM規格とは異なります。また、最近のゲーミングノートPCはメモリがマザーボードに直接はんだ付けされていて増設不可のモデルもあります。購入前に仕様書で確認してください。
Q. メモリの増設と交換、どっちがいい?
空きスロットがあれば増設が手軽です。スロットが埋まっている場合は、既存のメモリを全て取り外して新しい大容量メモリに交換します。その際、古いメモリはフリマアプリやPC買取ショップで売ることができます。
🦊 PCのスペックが上がったら、キーボードも見直してみない?操作性が変わると体感が全然違うよ!

まとめ
メモリの増設はゲーミングPCの中で最も手軽なアップグレードです。
- 増設前にメモリ規格(DDR4/DDR5)・空きスロット・最大容量を確認する
- ゲーミング用途なら32GB(16GB×2枚のデュアルチャネル)がベスト
- 同じメーカー・同じ型番のキット販売品を選ぶと相性問題を避けやすい
- 取り付けは「カチッ」と鳴るまでしっかり押し込む
- 増設後はBIOSでXMP/EXPOプロファイルを有効にするのを忘れない
費用対効果が高く、作業も簡単なメモリ増設で、ゲーミングPCの動作をさらに快適にしましょう。


