ゲーム中にPCが落ちる原因と電源対策を詳しく解説
ゲームのクライマックスで突然画面が真っ暗になり、PCが再起動する。あるいはいきなりプツッと電源が切れる――このトラブルは、ゲーミングPCユーザーの中でもかなり多い悩みです。
ゲーム中にPCが落ちる原因の大半は「電源」か「熱」に起因しています。どちらも高負荷時に限界に達して安全装置が働くことで、PCがシャットダウンするわけです。
この記事では、ゲーム中にPCが落ちる原因を系統的に整理し、特に電源周りの対策を重点的に解説していきます。
ゲーム中にPCが落ちる主な原因
- 電源ユニット(PSU)の容量不足
- 電源ユニットの経年劣化
- GPU・CPUの熱暴走による保護シャットダウン
- 電源ケーブル・コネクタの接触不良
- コンセント・電源タップの電力供給問題
- グラフィックドライバの不具合
- Windowsのシステムエラー
- マザーボードの電源回路(VRM)の過熱
原因1:電源ユニットの容量不足
ゲーム中にPCが落ちる原因で最も多いのが「電源容量不足」です。ゲーム中はGPUとCPUが全力で動くため、消費電力が跳ね上がります。電源ユニットが瞬間的な高負荷に耐えられないと、過電流保護(OCP)が作動して電源が落ちます。
自分のPCの消費電力を確認する方法
- HWiNFOをインストールして「Sensors」で消費電力を確認
- CPU Package Power + GPU Board Power = おおよそのシステム消費電力
- 電源ユニットの容量に対して80%を超えているなら危険域
電源容量の目安
| 構成例 | 推定消費電力 | 推奨電源容量 |
|---|---|---|
| Core i5 + RTX 4060 | 約300W | 550W以上 |
| Core i7 + RTX 4070 SUPER | 約400W | 700W以上 |
| Core i7 + RTX 4080 SUPER | 約500W | 750W以上 |
| Core i9 + RTX 4090 | 約650W | 1000W以上 |
電源容量は実消費電力の1.5〜2倍が理想です。ギリギリの容量では、瞬間的な電力スパイク(突入電流)で落ちることがあります。

原因2:電源ユニットの経年劣化
電源ユニットは経年劣化により、定格出力を維持できなくなります。内部のコンデンサが劣化すると、出力が不安定になり高負荷時に落ちやすくなります。
電源劣化のサイン
- 以前は問題なかったゲームでも落ちるようになった
- 電源ユニットから「コイル鳴き」(キーンという高周波音)がする
- PC起動時に一瞬電源が落ちてから再起動する
- 負荷をかけるとファンが異常な音を出す
電源ユニットは3〜5年で交換を検討するのが安全です。特に安価な電源は劣化が早い傾向にあります。
電源ユニットの選び方
- 80PLUS認証:Gold以上推奨(変換効率が高い=発熱が少ない=長寿命)
- 信頼性のあるメーカー:Corsair、Seasonic、NZXT、be quiet!など
- 保証期間:7年以上の長期保証モデルがおすすめ
- ATX 3.0 / PCIe 5.0対応:最新GPUの12VHPWRコネクタに対応
原因3:熱暴走による保護シャットダウン
CPUやGPUが許容温度を超えると、パーツを守るために強制シャットダウンが実行されます。
温度の確認方法
HWiNFOでゲーム中の最高温度をチェックしてください。
- CPU:95℃以上で保護シャットダウンの可能性
- GPU:95〜100℃以上でサーマルスロットリング→シャットダウン
対処法
- ケース内のエアフローを改善(吸気・排気ファンのバランス)
- CPUグリスの塗り直し
- CPUクーラーのアップグレード
- ケースの設置場所を見直す(壁との距離、密閉空間を避ける)
- 室温管理(夏場はエアコン併用が前提)

原因4:電源ケーブル・コネクタの接触不良
意外と見落としがちなのが、ケーブルの接触不良です。特にモジュラー式電源の場合、ケーブルが電源本体側で緩んでいることがあります。
確認ポイント
- 24ピンATX電源コネクタ(マザーボードへの主電源)
- 4+4ピンEPS電源コネクタ(CPU電源)
- GPUの補助電源コネクタ(6ピン/8ピン/12VHPWR)
- モジュラー式電源の場合、電源ユニット本体側のケーブル接続
- 壁コンセントからPCまでの電源ケーブル
RTX 4000シリーズで使用される12VHPWRコネクタは、接触不良による発熱・溶解の報告がありました。ケーブルに極端な曲げを加えず、コネクタがしっかり奥まで刺さっていることを確認してください。
原因5:コンセント・電源タップの問題
PC本体に問題がなくても、コンセントや電源タップ側が原因で電力不足になることがあります。
- タコ足配線:他の家電と同じタップに接続していると、容量オーバーで電圧降下が起きる
- 安価な電源タップ:許容電力が低いタップでは、ゲーミングPCの消費電力に耐えられない
- 壁コンセントの劣化:古い建物ではコンセント自体の接触不良もありえる
対処法
- ゲーミングPCは壁コンセントに直接接続するのが理想
- 電源タップを使う場合は、1500W対応の雷ガード付きタップを使用
- モニター・PC・周辺機器を同じタップに集中させない
- UPS(無停電電源装置)を導入すると、瞬停や電圧変動からPCを保護できる
特にエアコンや電子レンジなど消費電力の大きい家電と同じ回路(ブレーカー系統)にPCを接続しないように注意してください。
原因6:VRM(電源回路)の過熱
マザーボードのVRM(電圧レギュレータモジュール)は、CPUに安定した電力を供給するための回路です。安価なマザーボードでハイエンドCPUを使うと、VRMが過熱してシャットダウンの原因になります。
確認・対処法
- HWiNFOで「VRM Temperature」を確認(100℃以上は危険)
- VRMヒートシンク付近のエアフローを改善
- CPUのPower Limitを少し下げる(BIOSでPL1/PL2を調整)

PCが落ちたときのログ確認方法
原因を特定するために、Windowsのイベントビューアーを確認しましょう。
- Win + R →
eventvwr.mscで起動 - 「Windowsログ」→「システム」を選択
- 「重大」「エラー」レベルのイベントを時系列で確認
- 「Kernel-Power イベントID 41」が記録されていれば、予期しない電源断を意味する
Kernel-Power 41は「PCが正常にシャットダウンされなかった」という記録で、電源問題・熱暴走・ハードウェア障害を示唆します。
UPS(無停電電源装置)のすすめ
電源周りのトラブルを根本的に解決したいなら、UPSの導入が効果的です。
- 瞬停(一瞬の停電)からPCを保護
- 電圧の変動を安定化(AVR機能付きモデル)
- 落雷によるサージ電流からPCを保護
- 停電時に安全にシャットダウンする時間を確保
ゲーミングPC用なら、700VA〜1500VA程度のUPSがおすすめです。APC、CyberPower、オムロンなどのメーカーから選びましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 特定のゲームだけでPCが落ちます。
そのゲームのGPU負荷が特に高く、電力の瞬間的なスパイクが発生している可能性があります。ゲーム内のグラフィック設定を下げるか、フレームレートに上限を設けて負荷を抑えてみてください。NVIDIA Control PanelでFPS上限を設定できます。
Q. 電源を交換したばかりなのに落ちます。
新しい電源でも、ケーブルの接続不良やコネクタの差し込み不足で落ちることがあります。すべてのケーブルを一度抜いて差し直してください。また、フルモジュラー電源で前の電源のケーブルを流用するのはNGです。ケーブルのピン配列がメーカーごとに異なるため、必ず付属品を使ってください。
Q. ブルースクリーンではなく、いきなり電源が切れます。違いは何ですか?
ブルースクリーンはソフトウェア(OS)がエラーを検出したときに表示されます。一方、いきなり電源が切れる場合は、ハードウェアの保護機能が作動しているため、より深刻な問題(電源不足・過熱)である可能性が高いです。
Q. ゲームではなく、ベンチマークソフトで落ちます。
ベンチマークソフトはGPU/CPUを極限まで酷使するため、通常のゲームよりも電力消費が高くなります。電源容量の不足や冷却の限界を確認するのに最適なテストです。ベンチマークで落ちるなら、電源と冷却の見直しが必要です。
🦊 PC環境ごと見直すなら、ゲーム部屋の整え方もチェックしてみて

まとめ:電源と冷却の見直しが解決の鍵
ゲーム中にPCが落ちるトラブルは、電源ユニットの容量・劣化、熱暴走の2つが原因の大半を占めます。
まずはHWiNFOで温度と消費電力を確認し、異常がないかチェック。電源容量がギリギリなら、余裕のある電源への交換を最優先で検討してください。
ゲーミングPCにおいて、電源ユニットは「最も地味だけど最も重要なパーツ」です。GPUやCPUに予算を割くのは当然ですが、電源をケチると安定性を失います。パフォーマンスと安定性の両立を目指しましょう。


